こんにゃくといえば灰色や白色を思い浮かべる人が多いと思うが、滋賀県近江八幡地方のこんにゃくは少し変わっていて赤色である。この地域で赤色のこんにゃくはスーパーなどで普通に購入でき、食卓に並ぶことは目常的で、また冠婚葬祭には欠かせない食材でもある。初めて見た人は、レバー?まぐろ?はたまたレンガ?と見まごうような鮮やかな赤色だが、唐辛子などで赤くしているのではないので、味わいは普通のこんにゃくと変わらずに、田楽やおでん、酢みそあえとアレンジも同じように楽しめる。この赤色は三二酸化鉄という着色料によるもので、普通のこんにゃくよりも鉄分豊富という利点もあるのだ。しかし、なぜこのような赤いこんにゃくが生まれたのだろうか?琵琶湖の東、近江八幡市で赤こんにゃくを作る森商店さんにお話をうかがうと、赤くなった理由には諸説残っているという。そのなかでも興味深いのが戦国武将・織田信長にちなんだ説である。なんでも派手好きな織田信長がこんにゃくまでも赤く染めてしまったというのである。そのほかの説としてはこの地域で毎年行なわれる左義長祭で青竹に真っ赤な紙を何千枚も飾った山車が練り歩く様にちなんだという説、近江商人が全国行脚をしているときに思いついたというものもある。いずれにせよ、そうして生まれたこんにゃくが一般に浸透し、食されるようになったのである。
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