敗退した保険会社の理由は次の通りある。まず、事業の基本要素のコントロールに失敗した、ということである。これには、不正販売などをして顧客からの信頼を失ったというように、ある意味で、経営としてのリスク管理が不十分であったこと、経営ビジョンにむけての実行がうまくいかなかったという投資政策上の失敗や、人件費のカットやリストラの実行が遅々として進まないといった経費管理上の失敗などがある。一般事業会社でも想定されるような、マネジメントの失策で敗退するケースである。そして、経営の着目点と構造が内向きでかつ複雑、市場にフォーカスした社内体制の欠如、官僚的文化の存在、といったことである。これは要するに、顧客ニーズの変化、市場ルールの変化に柔軟かつスピーディーに対応できなかったことを示している。さらに、事業分野の切り分けおよび経営資源の重点配置に失敗した、ということである。保険会社の場合は相互会社形態のものが多いが、資金訓達やM&Aの観点からいうと、相互会社には制約が多く不都合が生じがちである。また、SBU(事業本部制)を導入して、事業分野をきちんと切り分けて、そのなかで収支採算管理を確実にやっていくことが必要だが、それもしない。このように、組織迎営、ガバナンスのあり方で、従来うまくいっていたものに固執していると、敗退につながっていく。
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