衣食住を含む充分な生活を享受する権利

2012-01-07

「適切な住居を持たぬ人」は世界に10億人といわれる。「適切な住居」とは、国連の定義によれば、(1)雨露をしのぐことができ、(2)追い立てられる心配がなく、(3)清潔な水が供給され、ゴミや汚水は収集され、(4)必要なプライバシーと安全が保たれ、(5)一定の教育・医療を享受しうる場所にあり、(6)少なくとも通勤範囲内に職場があり、(7)家庭生活に必要な最小限のスペースを、負担しうる住居費で確保できる、ことである。

(参考情報)
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ホームレスの数は、アメリカでは公称約30万人、ホームレスの救援にかかわるNGOの推定では300万人とも400万人ともいわれる。80年代のレーガン政権のもとで住宅供給を含む福祉予算が激減し、低所得者向け住宅ストックが減少し、失業、病気、家賃値上げなどでホームレスに転落する。イギリスなどの先進諸国はもとより日本でもホームレスはふえた。こうした傾向にたいして、すべての人の「居住の権利」を基本的人権として認める、という思想がNGOを中心に高まり、それがハビタットーにむすびついた。ハビタットーの骨子は、(1)「居住の権利」を独立した権利概念として国際文書で示す。(2)各国政府は居住の権利を完全かつ前進的に実現する義務を負う。(3)持続可能な人間居住の実現を図る。(4)居住者参加と国際連帯。住居にかかわる権利は、これまでにも国連機関で宣言や規約として採択されてきた。たとえば、1984年の国連総会は「世界人権宣言」を採択し、第二五条一項に「衣食住を含む充分な生活を享受する権利」を定めている。1966年国連総会はこの世界人権宣言に法的拘束力を持たせるため国際人権規約を採択、日本は1979年9月21日にこれを批准した。政府はこの規約に定められた権利を実現する義務を国内に住む住民と他の条約国・国連にたいして負っている。