四歳児のMちゃんのお母さん、Iさん(三十四歳)もそんな疑問をいだいていた一人だった。国立に住んでいるIさんのもとには、子どもが四歳の年中さんに進級しようとする九七年に入ってから、たくさんの塾の体験授業の案内が送られてきた。最初は興味がなかったIさんだが、通学範囲内に桐朋学園小学校や国立学園小学校、学芸大附属小金井小学校など数多くの私立・国立小学校が林立している「地の利」にふと気づき、「受験させてみてもいいかも」と気持ちが動いたそうだ。それまでは届くと一応封を切って一読し、即ゴミ箱行きだった塾のチラシをじっくりと眺め、自宅からもっとも近い塾の体験授業に参加した。塾の名称は『あすか会教育研究所』。中央線沿線の国立に教室を開いている会員数百二十名ほどの中規模の塾である。毎年、成蹊、桐朋学園、国立学園、光塩女子学院といった学校に二桁の合格者を出していると募集のチラシには書いてある。
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