既存店4割の大改装がスタート

2011-06-20

「この10年でしまむらがスクラップした既存店はわずか7店舗」と紹介した。これは驚くべきことだが、しまむらの既存店が8年連続で前年売上を上回っている(06年2月期)という事実にもまた驚かされる。そして同社はその強さをさらに盤石なものにするため、今期(07年2月期)から大規模な既存店の改装に着手している。対象は1988年までにオープンした420店舗。既存店の4割強にあたる旧タイプ店で、これを3年間かけてすべて改装する。1店当たり投資額は3500万円前後とし、総額は150億円に上る。もちろん同社としても過去最大規模だ。その内容は天井を現行の3メートルから4メートルに上げ、床を御影石に張り替え、壁面や照明も刷新する。さらに店舗正面をガラス張りにしてウィンドウディスプレイのスペースをしつらえる。また旧型店の多くが売場面積950平方メートル前後だが、増床余地があれば現標準スケールの1100〜1300平方メートルにする。要は好調な現在の新型店の店作りに極力近づけようというものだ。さらに「近隣に良い立地があれば、リプレイスも検討する」(N)という。改装による休業期間は3〜5週間を予定するが、改装前後のセールでその売上を取り戻し、対象既存店の現状平均年商3億円を3億5000万円に引き上げる方針。実際、改装後2割以上のペースで売上を伸ばす好調店も続出するなどすでにその成果も表れつつある。さて都市部やSCなど新たな出店地に進出する一方、このようにしまむらは守りも決して忘れない。その攻守の絶妙なバランスの良さが同社の真骨頂だ。しまむらはますます安定度を増し、さらに揺るぎないポジションを築きつつあるかのように見える。そういう意味ではまさに完璧に近い。しかし完璧には独りよがりにつながるという陥穿もある。えてしてその落とし穴は、意外に大きいものである。